沖縄の歌の中でもエイサーやカチャーシーの曲と言えば...。
最も有名な楽曲は「唐船ドーイ」ではないでしょうか？
三線初心者の中では「唐船ドーイ」が弾けるようになりたい！という、憧れの楽曲でもあると思います。
「唐船ドーイ」の歌詞の意味や三線で（早弾き）演奏する時の弾き方のコツなど 「唐船ドーイ」の魅力に迫って行きたいと思います。

1.
唐船（とうしん）ドーイ
さんてーまん
いっさん走（ば）え　ならんしや
ユイヤネ
若狭町村（わかさまちむら）ね
サー瀬名波（しなふぁ）ぬ爺（たんめー）
ハイヤセンスル　ユイヤナー
イヤア　サーサーサーサーサーサーサ

1.
唐船（中国の船）が来たぞ
と騒いでも
一目散に走らないのは
ユイヤネ（囃子）
若狭町村の
サー瀬名波のおじいさん
ハイヤセンスル　ユイヤナー（囃子）
イヤア　サーサーサーサーサーサーサ（囃子）

2番以降の歌詞については歌い手によって様々で無数に存在しますが、 1番の歌詞については先に紹介した歌詞が定番となっています。
その歌詞の意味が以下になります。

当時の人々は中国からの船が那覇の港に到着すると大騒ぎして走って見に行くほどの楽しみだったそうです。
しかし、若狭という那覇の港近くの地域に住んでいる瀬名波（名前）のおじーは騒ぐことなく落ち着いていた。

瀬名波のおじーは何故騒がなかったのか？疑問に思われる方も多いと思います。
沖縄民謡の歌詞にはその裏に隠された別の意味を持っている事が多々あります。
「何故騒がなかったのか？」
理由を考えたり想像しながら聴くのも「唐船ドーイ」の魅力の一つではないでしょうか。

エイサーに詳しい方にとって「唐船ドーイ」といえばエイサーの最後で最高潮に盛り上がる締めの1曲と言う印象があるのではないでしょうか？
エイサーとは元々、沖縄でお盆の時期にご先祖様が現世に帰って来られた際、先祖供養の意味で演奏された歌や踊りです。
現代では先祖供養の為のエイサーとは異なるショー的な要素を重視した創作エイサーと言われるエイサーも増えています。
また、近年では沖縄県内県外を問わず幼稚園や小学校の運動会などでエイサーを踊る学校も珍しくありません。
「唐船ドーイ」は伝統エイサーから創作エイサー、運動会でのエイサーまで様々なジャンルのエイサーで踊られています。
中でも伝統エイサーのラストで演奏される「唐船ドーイ」や“ガーエー”と呼ばれる別々の青年団がエイサーで闘う際に演奏される 「唐船ドーイ」は特に興奮させられます。

カチャーシーとは沖縄で祝いの席の最後に踊られる踊りで、特に踊り方に決まりはなく三線の早弾きに合わせて自由に即興で 踊る踊りの事です。
「唐船ドーイ」はカチャーシーの定番曲でもあり、沖縄の人にはお祝いのおめでたい曲としてもおなじみの楽曲です。
昔の沖縄では若い男女が、夜に砂浜や広場で歌い踊った「毛遊（もうあしび）」と言われる集まりがありました。
「毛遊」では即興でカチャーシーを踊り、歌もその場の雰囲気で即興で歌われていました。
「唐船ドーイ」の歌詞はこうした即興演奏の名残もあり2番以降の歌詞については演奏者によって 様々存在し即興的な性質を現在まで受け継いでいるのではないでしょうか。

三線初心者にとっては早弾き楽曲は指の動きやバチ（爪）さばきが速くて難しそうと思われるかもしれません。
特に沖縄県外の三線初心者の方はカチャーシー独特のリズムに馴染がないので、「なんだかノリが違う」、 「カッコ良く演奏出来ない」などリズムに悩まれる方も多いのではないでしょうか？
カチャーシーのリズムを説明しますと下のようなリズムになっています。

図で現した2つのリズムのちょうど間を取ったリズムで演奏する事で独特のグルーブ感が生まれています。
楽譜では表しきれない弱拍の微妙なズレがあるのですね。
沖縄民謡の早弾きはこのリズムが重要で、リズムのノリがカッコ良ければ多少音程を間違えてもカッコよく聴こえてしまいます。
カチャーシーのリズムに馴染のない県外の方は本場沖縄で生の演奏に触れたり、様々なアーティストが演奏している 音源を聴き込んでグルーブ感を体に染み込ませることが上達のコツかもしれません。
沖縄に訪れた際は沖縄民謡居酒屋で生の演奏を聴いてみてはいかがでしょうか？

沖縄ちゅらサウンズでは様々なアーティストが演奏する「唐船ドーイ」を配信しています。
会員の方は無料で試聴が出来るので色々なアーティストが演奏する「唐船ドーイ」を聴き比べてお気に入りを見つけてみては？

沖縄県那覇市を縦断する沖縄都市モノレール「ゆいレール」の壷川駅にて車内で流れるチャイム音としても「唐船ドーイ」が使用されています。
「ゆいレール」は沖縄の空の玄関口、那覇空港から琉球王国時代に国王が住んでいた首里城で有名な首里を結ぶモノレールです。路線距離は約13kmで全15駅あります。
壷川駅は那覇空港駅から数えて4つ目の駅で那覇市を流れる国場川沿いにあり川の対岸には奥武山公園を見ることができます。

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